先日このような話を聞いた。

ある老夫婦のご主人がご逝去された。
老衰だった。 

介護サービスを受けていたが、このところ口数も減ってとても弱っていたので心配していたが、施設の空きを待ちながら自宅にいたところだった。

夫婦ともに90歳を超えていたので、いつどうなってもという年齢ではあったが…。

いつもシングルベッドを2つ並べて寝ていて、夫は弱っていたけれど、妻に「一緒に寝ましょう」とさそい、《あなたと結婚できてよかった》と言って、妻はそれを書き留めていた。

小学生の頃に出会って、ご主人の一目惚れで、100年に近い年月を共に生きた2人。

前日までタバコを吸って、最後まで好きなことができてよかった…と。

ご主人の姿はないが、ここに愛はある。これからも2人の中で永遠に続く。

幸せの形はそれぞれだけれど、お2人の在り方が何だかじんわり残る。